自然薬 ふやき本店

洋服屋さんで衣服を選ぶ時、私たちは体格、体型、年齢、肌色、そしてその人の持つ雰囲気、そういったものを総合的に判断して選んでいます。同じ年代の人でもカラフルな服装が似合う人、シックな落ち着いた色合いが似合う人と様々です。身長が同じでも、太っている人、やせている人とこれもまちまちです。

漢方薬を選ぶ場合も同様のことが言えます。お一人お一人、体型、体質、年齢も違います。食生活や性格も違います。こうした場合、私たちは漢方独特の物差し（陰陽、虚実、寒熱、表裏）や座標軸を使って、その人の状態を総合的に判断して（証）、その人に合った薬方を決めていきます。

その物差しの一つに虚実があります。これは概ね体力や抵抗力で分けたものです。

• 実証　　
  • がっしりとした体格で、筋肉質。血色もよい。
  • 声が大きくはっきりとしゃべる。
  • 胃腸が丈夫。便秘しやすい。抵抗力が強い。お腹に弾力がある　
• 虚証
  • 線が細く、体力がなく弱々しい。顔色が悪い。いわゆる虚弱体質。
  • 声が小さくボソボソとしゃべる
  • やせ型。細面。胃腸が弱くて疲れやすい。抵抗力が弱い。お腹の弾力が弱い

しかし実際、はっきりと実証、虚証と二つに分けられるのでなく、この面はこっち、この面はこっちというように両方入り混じっていることも多いものです。中間証というのもあります。

• 私は一日三食ほぼ食事時間が決まっています。おかずは何でも良いのですが、食事時間がずれるとリズムが狂ってきます。営業の方が12時頃訪店すると機嫌が悪くなります。まして一食抜けることなど到底考えられません。
• お酒は大のビール党。それもギンギンに冷えていないとダメ。ところがコーヒーは夏でもホットコーヒー。コールコーヒはあいません。
• 服装はどちらでもいける。スポーツシャツ一枚でクーラーの利いた部屋にいることも出来るし、スーツを着て炎天下を歩いても平気。
• 便秘をすることもあります。その時は2～3日出なくてもお腹は張ってきません。食べるのが遅く、会席料理のときなど、『これ、お下げしてよろしいか　』と仲居さんにせかされてしまいます。
  

私の場合、実証でもない、といって虚証というわけでもない。「中間証で少し虚証より」というところでしょうか。私には半夏シャ心湯や柴胡桂枝湯あたりがよく合います。