地球の温暖化でしょうか、昔に比べて秋から冬の気温が高くなっています。昔は気温も低く、かつ暖房設備もあまりなかったので、水仕事をする主婦や子供たちは手や足にしもやけを作っていました。
また、冬場は湯たんぽを使っていたので、足によくやけどを負ったものです。こんな時に重宝するのが【紫雲膏】という紫色の軟膏です。これは有吉佐和子さんの小説で有名な江戸時代の漢方医であり、また外科医でもある華岡青洲が作りました。
これの成分はごま油、豚脂、紫根、当帰からなっています。紫根はムラサキの根で、解毒、殺菌、排膿等の働きがあります。「ムラサキ」という名前から花も紫色かと思われますが実際は白く可憐な花が咲きます。万葉集にも「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」と歌われています。
この【紫雲膏】を作るのに製造する人、それぞれにコツがあります。お料理でも一番大事なのは火加減ですが、同様にこの【紫雲膏】を作る際、火加減が大事です。火加減一つで効き目も軟膏の色も違ってきます。
しもやけ、たこ、ヒビ、アカギレ、床ずれ等なんでも効きます。足のかかとがひび割れて歩くたびに痛む人、早速お試しください。夜、寝しなに塗っておくと朝起きた時にはひっついています。鮮やかな赤紫色をしていますので薬剤師の間では「紫羊羹」と愛称で呼ぶこともあります。
お店は古い佇まいが残る安町商店街にあります。京都銀行から50mほどです。
駐車場を備えていますので、ゆっくりご相談ができます。