自然薬 ふやき本店

以前、京都の骨董屋さんにアメリカ人が来て火鉢を買い求めたそうです。アメリカでは火鉢も使わないだろうし、炭もないだろうし、一体どうするんだろうと思って、『何におつかいになるんですか？』と尋ねたところ、『植木鉢にして部屋のインテリアとして使います』と答えが返ってきたそうです。『なるほど！日本人には出来ない発想だ！』 『捉われない心というのも大事だな。』 と思ったそうです。

とかく、日本人というのは型にはまってしまいがちです。慣例のようなものに捉われてしまいます。しかしその一方、『自由自在』『融通無碍』という言葉も存在します。

【加味逍遥散】というお薬があります。一般的には女性の更年期障害によく用いられるのですが、その処方内容を良く把握しておれば、便秘に用いて良く効くことがあります。

よく経験するのは「旅行に行ってから便秘する」　「朝、バタバタしていてトイレに行きそびれて、それから便秘する」ということです。いずれも少し緊張していて、気の流れがゆったりしていないのです。

こうした時、【加味逍遥散】　---　この【逍遥】という文字は広辞苑で調べると　①あそこここをぶらぶら歩くこと。散歩。②心を俗世間の外に遊ばす事とある　---　このお薬を服用すると名前の通り、緊張やこだわりが取れて気持ちがリラックスしてきます。そうすると腸管の方も緩むのか便通がスムーズになります。

処方も文言の一字一句に拘るのでなく、その本質をしっかり捉え、運用は大きく自由自在に操る事が大事です。